この手紙をもって、僕の虎師としての最後の仕事とする。
まず、虎の交流戦負け越しを解明するために、岡田前監督に病理解剖をお願いしたい。
以下に、交流戦についての愚見を述べる。
交流戦の優勝を考える際、第一選択はあくまで先発完封であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、発見した時点で失点や逆転をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、猛虎打席爆発を含む全身治療が必要となるが、残念ながら、未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの交流戦の飛躍は、監督の選手起用の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない虎師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には阪神タイガースの発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、虎による交流戦負け越しが、この世からなくなることを信じている。
ひいては、虎の戦績を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自ら癌治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の癌で死すことを、心より恥じない。君が誰で僕が誰なのかさっぱりわからん？？？
激しく厳しいタイガース包囲網の中二つの負け越しですんでよかった